住宅ローン控除は期限後申告でも適用できる

 こんにちは! 愛知県一宮市の個人専門税理士の服部です。

 住宅ローンを組んで住み始めたら住宅ローン控除の確定申告ですよね。

 うっかり確定申告をし忘れた場合、期限後申告でもOKです。

目次

確定申告は過去5年分できる

 所得税の確定申告は、原則として過去5年間分をすることができます。

 今が令和8年10月中だとしたら、

 「令和3年分から令和7年分までの各年分の期限後申告」

 をすることが可能です。

 これは住宅ローン控除をすべきだったのに確定申告をしていなかった、という場合にもその取扱いは同じです。

 国税庁の確定申告書等作成コーナー(PC画面抜粋)では次の場所から入力をすることができます。

 なお、住宅ローン控除は毎年のように税制改正がされます。申告した時期ではなく入居年によって少しずつその内容が異なりますので、ご自身が入居した年の税制の内容を確認しておくとよいでしょう。

その年の収入の書類(源泉徴収票など)も必要

 「住宅ローン控除の確定申告をする」ということは、給与収入などの情報も確定申告することを意味します。

 したがって、もし今から令和5年分の確定申告をする場合には、給与所得の源泉徴収票などの収入に関する書類も申告書作成のために必要になります。

 住宅に関する書類だけでは申告書は作成できません。

 また、最新年分の源泉徴収票だけで過去の年分の申告書を作成することはできません。

 給与所得の源泉徴収票は勤務先から交付を受けるものですので、もし手元にない場合には勤務先に問い合わせてみましょう。

 なお、住宅に関する書類としては、契約書などのほかに、期限後申告をするその過去のそれぞれの年分の住宅ローン年末残高を示す「住宅借入金年末残高証明書」が必要になります。

 もし、手元にない場合には金融機関に再発行を依頼してみましょう。

住民税もさかのぼって還付になる可能性がある

 住宅ローン控除を適用すると、所得税の源泉徴収税額から還付を受けることとなります。

 その場合に、控除してもしきれない住宅ローン控除額がある場合には、住民税においても一定金額が控除されます。

 所得税の期限後申告をすると、その申告内容は自動的にお住まいの市町村の税務課などに情報が回っていきます。

 過去の住民税の金額に変更がある場合には、おって市町村から住民税の変更通知書などが届くことになります。

 なお、かつては住民税の決定通知書が届くまでに期限後申告をしなければ住宅ローン控除の住民税への適用はできなかったのですが、平成30年分の確定申告以降はその制限はなくなりましたのでご安心ください。

すべての年分で「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」を作成する

 住宅ローン控除を適用する場合には、通常、入居した年の確定申告さえすれば、翌年以降は勤務先の年末調整で適用することができるようになります。

 しかし、複数年について住宅ローン控除を一度に適用しようとすると、当然ですが適用するそれぞれの年分の確定申告をしなければなりません。

 そして、適用するそれぞれの年分について「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」を作成する必要があります。

 これは、確定申告書本体とは別の住宅ローン控除額を計算するためだけに使用する計算用紙のようなもので、確定申告書の添付書類です。

 なお、国税庁の確定申告書等作成コーナーでは次の画面から作成することとなります。画面は、令和4年入居の人が令和5年分の確定申告書を作成する事例です。

 正直なところ、各年分の「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」を作成するのはわりと面倒です。

 契約書の購入金額などをすべて入力していく必要がありますからね。最も古い年分から順に作成していくほうがやりやすいでしょう。

確定申告を既にしている場合にはやりなおしはできない

 住宅ローン控除を期限後申告で適用することはできますが、既に確定申告書を提出している場合に、住宅ローン控除だけを追加する修正をすることはできません。

 一般に、この確定申告のやりなおしをして還付金額を請求する手続きを「更正の請求」といいますが、この手続きは住宅ローン控除の場合にはすることができないのです。

 したがって、住宅ローン控除を過去複数年分にわたって期限後申告をしようとする場合には、その各年分について本当に確定申告書を提出していないかどうかをあらかじめ確認しておいたほうがよいでしょう。

 すっかり忘れていて、ひょっとすると医療費控除やふるさと納税、もしくは副業などの関係で確定申告を既にしていたなんてことも時々ありますからね。

 なお、既に確定申告書を提出済で「更正の請求」をすることができない場合は、すぐに諦めずに、救済措置がないかどうかを念のため税務署に問い合わせをしたほうがよいでしょう。

まとめ

 住宅ローン控除は通常の確定申告と同様に5年前までのものについて期限後申告をすることができます。

 各年分の「給与所得の源泉徴収票」などの収入関係書類やローンの年末残高証明書も必要になりますので用意しましょう。

 期限後申告をすると情報が市町村へ回っていきますので、おって住民税の還付についての案内通知が市町村から届く可能性があります。

 過去に一度確定申告書を提出済である場合には「住宅ローン控除だけを追加する」という更正の請求をすることはできませんので注意しましょう。

 マイホームを購入したら住宅ローン控除、という流れは多くの人が認識していますが、わかっていても忙しくて手を付けられなかったり、難しくて気が進まなくてなんだかんだやらずじまい、という人もいることでしょう。

 非常に大きな節税効果がありますので、期限後になってからでも申告することはできますから、ぜひやっていきましょう。

この記事を書いた人

 愛知県一宮市の個人専門税理士です。個人事業主の税務顧問、個人のスポット税務調査対応、住宅ローン控除や不動産の売却に関する確定申告、贈与税・相続税の申告など個人に税金に特化しています。

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