確定申告の納税で口座引落としの設定は申告書に記載するものではない

 こんにちは! 愛知県一宮市の個人専門税理士の服部です。

 近年、e-Taxでの電子申告がかなり普及してきました。

 ただ、初めて確定申告をする人やマイナンバーカードを作成していない人は「とりあえず書面で印刷して申告しよう」と考えることもあるでしょう。

 実は、納税について口座引き落としの設定をしようとして「実はぜんぜんできてなかった」というケースがあります。

目次

確定申告書の右下の欄に記載している!?

 書面印刷やボールペンの手書きで申告書を作成した場合、紙媒体ですので申告書にいくらでも書き込むことができます。

 納税の方法を口座引落としにしようとして、申告書の右下の欄に引落しの預金口座番号などを手書きで記載している人がたまにおられます。

 次の確定申告書(抜粋)の赤枠部分ですね。

 金融機関名称や預貯金口座番号を記載する欄があるので、この欄に引落し口座を記載したくなるのはわからなくもないですが、

 これ、

「還付される税金の受取場所」

 という欄なんです。

 申告をして税金が戻ってくる場合に、その振込先口座を税務署に伝えるために使用する欄です。

 申告書の内容が支払い(納税)になっている場合には使用しない欄ですので、勘違いしないようにしましょう。

 口座引き落としの設定をするには、別途「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」という書類を書面又はe-Taxで提出する必要があります。

 申告書に記載して設定するものではありませんので注意しましょう。

 なお、間違えて申告書に口座引き落としの情報を記載してしまっていた場合に、税務署が気を利かせてその記載内容をもとに口座引き落としの設定をすることはまずないでしょう。

 また、口座引落しの設定がされていると、引落しの時期は確定申告期限の約1か月後の日程となりますが、

 誤って申告書に口座情報を記載したなどの理由で引落しの設定ができていなかったことが判明するのは、通常、「支払いの督促状」が本人宛に届いたタイミング(4月~5月頃)になるでしょう。

 「未払いなので早く払ってください」という文書が届いて「え!口座引落しの設定をしたのに」とびっくり仰天する、という流れです。

 つまり、税務署側が「ひょっとして口座引落しの設定方法を間違えていませんか?」と事前に本人に連絡をとる、ということは基本的にはない、ということです。

 ということで、「たぶん申告書の右下の口座番号を書くところに書いちゃえばいいでしょ、間違えていたら連絡くるでしょ」というスタンスでいると、うっかり滞納者になってしまうリスクがありますから気を付けましょう。

申告期限後に振替依頼書を提出している?!

 納税を口座引落しにするためにはさほどの「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」を税務署(又は国税局業務センター)へ提出する必要があります。

 しかも、確定申告期限内に提出する必要があります。

 確定申告書を3月15日までに提出することはしっかりと認識している人がもちろん多いのですが、同じ日が納税の期限でありそして口座引落としのための振替依頼書の提出期限であることを理解できていなかった、というケースがあります。

 特に注意が必要なのが、確定申告書も同様ですが申告期限ギリギリに郵送提出する場合です。

 ルール上、「発信主義」といって、税務関係書類の提出日付は税務署に届いた時点ではなく本人が発送した時点とする、といった考え方があります。

 ただ、本人が「自分は書類を3月15日の23時55分に近所の郵便ポストに投函しました!」と主張しても、それは本当かどうかわからないので、実務上は郵便局が受け付けた日付が基準となります。

 つまり、市内で最も大きい郵便局に持ち込んだ場合と、田舎で近所の小さな郵便ポストに投函した場合では、郵便局の受付にタイムラグがありますから、やはり余裕をもって提出することが賢明です。

還付先口座は継続されない

 ちなみに、支払いではなく税金が戻るため還付先の口座を申告書の所定の欄(上の画像の赤枠内)に記載した場合、口座引落しと異なりその口座が税務署に登録されるわけではありません。

 「去年、書いたよ、登録してあるはずだから」

と言う方がしばしばいますが、登録されていないので、毎年、記載する必要があります。

 ただ、近年はマイナンバーカードを利用した確定申告が多くなっており「公金受取口座」を設定している場合には、口座番号を申告書に記載する必要はありません。

 「公金受取口座」を還付先口座と指定するときは、念のため前もって実際に登録されているかどうかを確認しておくとよいかもしれませんね。

まとめ

 税務署に「預貯金口座を知らせる」といっても、税務署は「納税の口座」と「還付金の口座」を完全に区別して管理しています。

 手続き方法も異なりますので、誤った申請方法をしないようにしましょう。

 うっかり未払いになってしまうと、納税額や未払い期間に応じて、延滞税などの罰則が付いてしまうこともありますから、意外と慎重に確認すべきものとなりますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この記事を書いた人

 愛知県一宮市の個人専門税理士です。個人事業主の税務顧問、個人のスポット税務調査対応、住宅ローン控除や不動産の売却に関する確定申告、贈与税・相続税の申告など個人に税金に特化しています。

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