個人事業主の税務調査はどれくらいの時間がかかるのか

 こんにちは! 愛知県一宮市の個人専門税理士の服部です。

 個人事業主の税務調査はだいたいどれくらいの時間がかかるのか気になる人もいると思います。

 今回は、元国税調査官である私が、個人事業主の税務調査スケジュールのイメージをお伝えします。

目次

税務調査は会っているときだけではない

 まず、知っておくべきことは、税務調査では事業主の自宅などに税務署の調査官が訪問してくることになりますが、その会っている時だけが税務調査ではありません。

 調査官からの質疑応答の日が終了したあとも、調査は税務署で行われており、金融機関での預金調査をしたり、場合によっては取引先へ出向いて確認したりします。

 調査官がその日に帰ったからといってそこで調査が終わったわけではなく、むしろ税務署としてはそこから調査がようやく始まったという認識でいるものです。

一般的なスケジュールはこんな感じ

 税務署は毎年7月が年度の始まりですから、7月中に税務調査を開始するとしたら、次のようなスケジュールであることが一般的です。

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 ①6月20日:個人事業主へ電話で調査の連絡

 調査官「7月15日とか16日とか19日とか都合はどうですか?」

 事業主「7月16日なら…」

 通常、税務調査では「朝10時から夕方4時」くらいのイメージで1日空けておくことになります。

 ②7月16日(税務調査当日)

  10時:調査官が自宅に訪問。質疑応答。

  12時:調査官が昼食のため退席。

  13時:質疑応答再開。帳簿等確認。

  16時:調査官が税務署へ帰る。

 税務調査当日に問題点を指摘されることもありますし、指摘されないこともあります。

 個人事業主の帳簿や通帳や請求書などの書類を調査官が借りて税務署に持って帰ることも一般的です。

 資料を調査官が持って帰ったからといって何か大変なことが起きるというわけでもありません。

 税務調査は過去3年間分の資料を確認することが通常です。調査官といってもその場の2、3時間で資料を全部見て確認できるものでもないですからね。

 調査官から次回の日程を決めたいと申し出がある場合もあれば、「また電話します」と言われるだけの場合もあります。

 ③7月28日:税務署から電話がくる

 調査官:「確認したい点があるので、来週中のどこかで1時間くらい税務署に来れますか?」

 事業主:「8月4日の9時から1時間なら…」

 ④8月4日:税務署で1時間だけ面接

 調査官:「資料を確認すると、この請求書の記帳ができていないので売上漏れでは? 経費のレシートにご家族のプライベートなものが散見されましたが…」

 事業主:「たしかにこれは売上漏れですね…経費はまあ家族分も多少あるかも…」

 この時点でおおむね修正すべき金額がいくらなのか方向性は定まってくるでしょう。また、借りていった資料の返還がされることも多いです。

 調査官:「指摘した点を修正します。最後の説明と修正申告書をお見せします。8月の後半のどこかで再度税務署に来れる日はありますか?」

 事業主:「8月28日の午後4時なら来れるかな…」

 ⑤8月28日:税務署で最後の面接

 調査官から指摘事項と修正した結果の説明があり、修正申告書の提示を受けることとなります。事業主が説明を受けたうえで、問題がなければその場で修正申告書を提出します。

 調査官より、納税についての案内がされて、税務調査は終了ですと言われます。

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 結局、最初の電話から完全に調査が終了するまでは、おおむね2か月くらいかかるとみてよいでしょう。

 この事例は「ちょっと間違いがあった」という最も一般的なものです。

 まったく指摘事項がなければ、調査官と1回だけしか会わずに終わる、ということもあります。その場合などはもっと早く終了することも多いです。

 また、反対に意図的に売上を隠していたというような事例の場合には、2回~3回ほど調査官が自宅に来ていずれも一日かけて質疑応答を行うこともあります。

 そのケースでは、最初の電話から完全に終了するまで2か月以上かかることも珍しくありません。

 なお、この事例は税理士をつけていない個人事業主の場合を想定してします。

 税理士がいる場合には、個人事業主と調査官が会うときにはいつも税理士も立ち会うことになります。

 また、調査官からの電話は、個人事業主本人ではなく税理士にかかってくることになります。

調査官は同時並行で複数の税務調査をする

 調査官が個人事業主の自宅に保管してあった資料を持ちかえってしまうと、

 「自分の資料をずっと調べるのかな?」

 と思ってしまいそうですが、

 調査官はほかの個人事業主のところにも同時並行して税務調査を行っているものですから、なにも一人だけを集中して調査しているわけではありません。

 調査官は上司から「効率よく進めて」といつも指示されています。

 もし同時並行で進めている他の税務調査の案件が大型案件のようなものであった場合には、そのほかの案件は少しだけ確認して早めに終了しようと考えるのも不自然ではありません。

 調査官や調査の時期にもよりますが、税務署では調査官が同時並行で3件~5件程度の税務調査事案を進めているイメージでしょう。

まとめ

 税務調査は、調査官の訪問を受けた日以降も続いています。

 一般的に、税務調査の連絡があった日から調査が完全に終了する日までは2か月ほどかかると考えておいた方がよいでしょう。

 個人事業主の帳簿などの資料を調査官が借りて持ち帰ることも一般的です。

 調査官は複数の個人事業主の調査を同時並行で進めていますので、特定の個人事業主一人だけの帳簿などをずっと調べているわけではありません。

 税務調査について、事前にある程度スケジュールをつかんでおくと、心理的負担も軽くなる可能性があるでしょう。

 

 

 

この記事を書いた人

 愛知県一宮市の個人専門税理士です。個人事業主の税務顧問、個人のスポット税務調査対応、住宅ローン控除や不動産の売却に関する確定申告、贈与税・相続税の申告など個人に税金に特化しています。

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