確定申告期限内に確定申告をやりなおす場合の注意点

 こんにちは! 愛知県一宮市の個人専門税理士の服部です。

 確定申告期限内に確定申告書を提出したけれど、提出してすぐに誤りがあったことを把握したり追加の控除があったことに気づいたりした場合に、確定申告期限内に再度申告書を提出したくなることがあると思います。

 今回は、その際の注意点を書いてみます。

目次

やりなおしは期限内と期限後で異なる

 大前提ですが、確定申告期限内であれば、何度でも確定申告書を提出することができます。

 ですが、確定申告期限後になってからやりなおしをしようとする場合には、税額が増えるときは「修正申告書」を、税額が減るときは「更正の請求書」を提出することとなります。

 確定申告期限後にやりなおしをしようとする場合には、期限内に行う場合と異なりますのでご注意ください。

 また、e-Taxでの電子申告の場合、日付だけでなく送受信した時間も記録されます。

 確定申告期限である3月15日の「23:45」に1回目の確定申告書を送信した後に、2回目のやりなおしの確定申告書を翌日3月16日の「00:08」に送信したときは、やりなおしの申告書は期限内に提出できていないことになります。

 したがって、このケースでは、やりなおしの申告は「修正申告書」か「更正の請求書」で行うべきものということになりますね。

 このケースに該当する場合には、2回目の確定申告書は無効とされている可能性が否定できませんので、どのような取扱いになっているのか国税局業務センター又は税務署へ問い合わせをしてみるとよいでしょう。

 そのほか、しばしばありがちなケースとしては、一度に3か年分などの複数年分の申告書を提出した場合に、実はそのうちの一つの申告書が既に提出済であった、というものです。

 次のようなイメージです。

 令和9年3月10日:3か年分の申告書を提出

  令和8年分…主に医療費控除の内容

  令和7年分…主に医療費控除の内容

  令和6年分…主に医療費控除の内容

 ところが、

  令和7年2月10日付けで

  令和6年分…主に寄付金控除の内容

 の申告書が既に提出されていた。

 この場合、令和6年分については、確定申告期限後のやりなおしとなるため「確定申告書」ではなく「更正の請求書」を提出する必要があります。

 ここからもわかるように、複数年分の確定申告書を一度に提出しようとするときは、

「提出しようとする年分について過去に一度も申告書を提出していないこと」

を事前に確認しておいたほうが安全でしょう。

訂正したり追加したりしたい事項だけではNG

 確定申告期限内であれば、確定申告書を何度も提出することができます。

 同じ年分の確定申告書を複数提出した場合に、どのような取扱いになるか、ということですが、

 「最後に提出した申告書が確定版」

 となります。

 たとえば、

 令和8年分の確定申告書を、

 1回目…令和9年2月16日

 2回目…令和9年2月28日

 3回目…令和9年3月11日

 というふうに3回提出したときは、

 3回目に提出した確定申告書の内容が確定版となります。

 イメージとしては「上書き保存」ですね。

 2回目の申告書の内容で1回目の申告書の内容を抹消して更新、3回目の申告書の内容で2回目の申告書の内容を抹消して更新、ということです。

 したがって、「1回目の申告書に記載し忘れた部分だけの申告書」を2回目の申告書として提出する、といったことはやってはいけません。

 たとえば、「給与2つと医療費控除の確定申告」をしたい会社員がいるとします。

 令和8年分の確定申告書を、

 1回目…令和9年2月16日:給与1つ目のみ

 2回目…令和9年2月28日:2つ目の給与のみ

 3回目…令和9年3月11日:医療費控除額のみ

 というように、

 「訂正したり追加したりしたい項目だけの申告書」を提出してしまうと、

 3回目の確定申告書の内容が確定版ですから、「医療費控除額」だけ(給与のない)の申告をした、という取扱いになってしまいます。

 税務署が複数の申告内容を再構成して確定版を完成させる、といったイメージではありませんので留意しましょう。

 認識誤りがなくても、

 たとえば、「住宅ローン控除と医療費控除の確定申告をしようとする会社員」の方が、

 1回目の確定申告で大変な苦労をして「住宅ローン控除と給与所得」の内容で提出完了させた後に、

 「医療費控除忘れてた!」と気づき、

 再度、申告書を作成しなおそうとしたときに作業量の多かった住宅ローン控除を忘れてしまい、「医療費控除と給与所得」の内容で2回目の確定申告をした、

 といったケースも考えられます。

 この場合、2回目の申告内容には「住宅ローン控除」が含まれていませんので、結果的に住宅ローン控除の適用ができていなかった、ということになってしまいます。

 申告書を再提出するときは、もともとの申告内容もきちんと含まれているかも確認したほうがよいでしょう。

まとめ

 確定申告期限内であれば、確定申告書は何度でも提出することができます。

 ただし、確定申告期限後にやりなおしの申告をしたいときは「修正申告書」か「更正の請求書」を提出する必要があります。

 また、確定申告期限内に再提出するときは、最後に提出する確定申告書が最終確定版となるので、やりなおしたい項目だけを記載するのではなく、再度すべて完璧な状態の申告書を作成して提出する必要があります。

 再提出の際は、1回目以上に慎重に確認することをこころがけましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この記事を書いた人

 愛知県一宮市の個人専門税理士です。個人事業主の税務顧問、個人のスポット税務調査対応、住宅ローン控除や不動産の売却に関する確定申告、贈与税・相続税の申告など個人に税金に特化しています。

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